いつもは 25m を泳ぐのに 18〜20 ストロークかかっていたのに、先週は 16〜17 ストロークで安定して泳げた。プールの端に捕まって脚を引っ張ってもらう。そのときの姿勢で泳ぐと、ストロークが減ったのだ。今までよりも、かなり背筋を使って姿勢を維持している。
これでストロークが減る理由が分からない。このあたりのロジックを、納得できる形で説明されたことがない。水泳の指導をしてくれる人には悪いんだけど。
仕事中に、仕事もせずに思いを巡らした結果「バタ足と水中姿勢によって、前投影面積が小さくなった」ことが要因だと考えている。
前投影面積
ストロークについてはなにも変えていないので、推進力はあがっていない。だから、抗力(水の抵抗)が小さくなったと考えるのが妥当だ。
抗力 = 定数 x 前投影面積 x 速度の二乗
泳ぐスピード自体はほとんど変わっていないので、速度は関係ないであろう。
定数には、いろんな要素が入っている。その中の粘性係数なんかは変化しない。水中姿勢の変化=形状の変化によって、抗力係数が変わっているかも知れない。知れないけれど、この程度のスピードだと、支配的ではないだろう、と、勝手に仮定して無視する。
そうすると、前投影面積 A の減少が要因だ。陸上に立って、腕を上に伸ばして伏し浮きの姿勢をとる。このとき、なんとなくだるんとしている場合と、びしーっと力を入れて伸びている場合だと、上方から見た投影面積は小さくなる。だるんとしている=軽く前屈している状態だからだ。
姿勢が伸びても、前投影面積が小さくなるとは限らない
当たり前に思えるけど、そう単純ではない。
水中で、だるんと伏し浮きしても、体を伸ばして伏し浮きしても、脚が沈む。水よりもはるかに密度の低い肺が浮き上がり、その他の部分が沈んでしまうようだ。肺よりも下が相対的に大きいので、下半身側が沈む。進行方向から見た投影面積が大きくなるのだ。沈むことによる投影面積の増加は、体を伸ばすことによる投影面積の現象よりも大きいだろう。
ところが、水中を進んでいると体が水平になる。そうすると、確かに体を伸ばしているほうが、前投影面積が小さくなる。 18ストロークが、16ストロークになるんだから、単純計算で10%くらい進んでいる。ってことは、面積もそのくらい小さくなっているんだろう。
2つの仮説
じゃあなんで進んでいる時には、体が水平になるのか、と。2つ仮説がある。
1. バタ足すると、足が水を下に蹴る反力で、脚が浮き上がる。
2. 水平方向に受ける力で、揚力が生まれ、体全体が浮き上がる。
これまでは、ほとんどバタ足をせずに泳いできた。先月から、バタ足をするようになっている。だから、バタ足+姿勢の両方によって、前投影面積が小さくなったのかなぁと思っている。
2 の揚力はどうなんだろう。解析的に求めるにしても、数値計算で求めるにしても、混相流を扱う必要があるので、勉強し直しが必要だ。