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2015年11月16日月曜日

アイアンマンの起源が、ゆがんで伝わっている

アイアンマン・トライアスロンの起源として「ハワイの遠泳大会、自転車レース、ホノルルマラソン、どれが一番過酷か?それなら全部やってしまえばいい、と、アメリカの中佐が言った」という話が紹介されることがある。日本語版の Wikipdeia  でも、この話が紹介されているが、ソースが不明。

まったく解せない。「それなら全部」の前後で話がつながらない。全部やってしまえば一番過酷だろうけど、最初の課題にぜんぜん答えてない。

英語版の Wikipedia には、違うニュアンスで書かれている。こちらはソースが一応ある。

Among the participants were representatives of both the Mid-Pacific Road Runners and the Waikiki Swim Club, whose members had long been debating which athletes were more fit, runners or swimmers. [...] Collins suggested that the debate should be settled through a race combining the three existing long-distance competitions already on the island.
(超訳:ミッド・パシフィック・ロード・ランナーズとワイキキ・スイム・クラブは、長い間、ランナーとスイマーのどちらのフィットネスレベルが高いかを議論していた。[...] コリンズは、オアフ島にすでに存在する、3つの長距離レースをまとめてレースして、議論に決着がつけることを提案した。)

「フィットネスレベルが高い」と訳した箇所の原文は「more fit」だ。fitness の fit。健康状態が良好という意味だけれど、文脈からは、競技能力の高さを議論しているような気がする。引用には含めていないが、コリンズは、サイクリストの酸素摂取量を指摘したり、カリフォルニアで開催された混合競技の出場経験もある。

何気なく Ironman Hawaii 2005 の DVD を観ていたら、コリンズ夫妻のインタビューが収録されていた。「ランナーとスイマーのどちらが優れたアスリートか、議論になっていた。」「全部合わせた競技をやって、完走できた奴が一番優れてるだろ、って話だ」と話している。

「どの競技が過酷か?」ではなくて「どの(競技の)選手が優れているか?」が議論になり、全部やって確かめよう、という話のようだ。

結果として、トライアスロンは、スイム、バイク、ランとは異なる競技になった。競技によって、その人の相対的な競技能力は異なるので、もはや、スイマーとトライアスリートのどちらが〜、と議論をする人はいない。

ただ、こんな能書きを垂れている私よりも、トレーニングをしている人のほうが、競技能力が高いのは間違いない。

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